カイロプラクティックはどんな資格なのでしょうか?
今回は、カイロプラクティックの歴史なども踏まえて、カイロプラクティックについての記事となります。
1.カイロプラクティックの誕生から現代まで
カイロプラクティックの誕生は、19世紀末のアメリカにさかのぼります。カイロプラクティックは、脊椎や骨格の調整を通じて体の機能を改善し、健康を促進する治療法です。その起源と発展について、以下に詳しく説明します。
①カイロプラクティックの創始者
カイロプラクティックの創始者は、ダニエル・デビッド・パーマー(Daniel David Palmer)です。彼は1845年にカナダで生まれ、アメリカに移住してからは様々な職業を経て治療家となりました。1895年、パーマーは画期的な治療を行ったとされています。
②最初の治療
1895年9月18日、パーマーはハーヴェイ・リラード(Harvey Lillard)という聴力を失った男性に施術を行いました。リラードの背中を調整(スピナル・アジャストメント)した結果、彼の聴力が回復したとされています。これがカイロプラクティック治療の始まりとされています。
③理論の発展
パーマーはこの成功を基に、「サブリクゼーション」(脊椎のズレ)が神経機能に影響を与え、さまざまな病気を引き起こすと考えました。カイロプラクティックの基本理論は、このサブリクゼーションを矯正することで体の自然治癒力を引き出し、健康を回復・維持するというものです。
④カイロプラクティック学校の設立
1897年、パーマーはアイオワ州ダヴェンポートに「パーマー・スクール・オブ・カイロプラクティック」を設立しました。この学校は現在も存在し、カイロプラクティック教育の中心地として知られています。
⑤カイロプラクティックの普及
カイロプラクティックはその後、パーマーの息子であるB.J.パーマー(Bartlett Joshua Palmer)の努力により、アメリカ全土および国際的に広まりました。B.J.パーマーは、カイロプラクティックの理論と実践をさらに発展させ、治療法の普及に努めました。
⑥現代のカイロプラクティック
現代のカイロプラクティックは、脊椎調整だけでなく、栄養指導やリハビリテーションなど、広範な健康管理を含む多様なアプローチを採用しています。カイロプラクティックは、代替医療として多くの国で認められ、さまざまな健康問題に対する治療法として利用されています。
以上がカイロプラクティックの誕生と発展の概要です。この治療法は、当初のアイデアから現代の複雑な健康管理システムへと進化してきました。
2.日本でのカイロプラクティックの扱い
日本におけるカイロプラクティックの扱いは、他の国々とは少し異なります。以下に、その詳細について説明します。
法的な位置づけ
1. 医療行為の一環としての認定
アメリカではカイロプラクティックはDocter Of Chiropracticと呼ばれ、医師としての扱いです。さらに多くの国で公的資格と認定されていますが、日本ではカイロプラクティックは医療行為として法的に認められていません。つまり、カイロプラクターは医師や柔道整復師などのように国家資格を持つ医療従事者ではありません。【※当院のスタッフは柔道整復師、鍼師、灸師、あんまマッサージ指圧師といった国家資格を有したスタッフです。】
そのため、日本国内でのカイロプラクターは、アメリカなどでドクターの資格を取った者から、数日の講習を受けて開業してしまう者までピンからキリまでいるのが現状で、患者さんはカイロプラクティックを受けるには注意が必要となります。
2. 業界団体と資格認定
一部のカイロプラクティックの団体では独自に資格認定を行っており、その資格を持つ者がカイロプラクターとして活動しています。 しかし、これらの資格は国家資格ではなく、民間の団体による認定に過ぎないため、法的効力はありません。
しかし、場合によっては国際認証の学位を与える団体もあります。
教育と研修
1. 教育機関
日本にはカイロプラクティックを専門に教育する学校が存在しますが、その多くは専門学校や私立の教育機関です。
一部のカイロプラクティック学校は国際的な認定を受けており、学位を認定される場合もあります。しかし、日本国での扱いはカイロプラクティックに対する法律が無いためそれでもあくまでも民間資格という位置付けで国家資格にはなりません。
2. 研修プログラム
多くのカイロプラクターは、国内外での研修やセミナーを通じて技術を習得しています。
特にアメリカやオーストラリアなど、カイロプラクティックが法的に認められている国で研修を受けることもあります。
業界の現状と課題
1. 市場規模
カイロプラクティックは日本で一定の需要がありますが、法的な制約があるため、他の治療法と比較すると市場は限定的です。
カイロプラクターは神経学の専門家であり、腰痛や肩こりなどの慢性的な痛みに対する代替療法として利用されています。
2. 課題
・認知度の向上: 一般の人々にとってカイロプラクティックの効果や安全性に対する理解が不十分なことが多く、誤解を招くこともあります。
・安全性と品質管理: 上記で記したとおり、海外で公的資格として資格取得をしたカイロプラクター、日本国内の医療資格と日本のカイロプラクティックスクールを卒業したカイロプラクター、数日の研修で開業してしまう自称カイロプラクターなど、ピンからキリまでのカイロプラクターが存在します。無資格での施術が横行するリスクがあり、施術の安全性や効果に対する不安が残ります。
3.結論
日本におけるカイロプラクティックは、医療行為として法的に認められていないため、ピンからキリの施術者がいるのでカイロプラクティック院を選ぶのは注意が必要です。しかし、一定の需要があり、代替療法として利用されるケースも少なくありません。今後、法的認知や教育体制の整備が進むことで、カイロプラクティックの位置づけが変わる可能性もあります。
3.カイロプラクティックの適応症状
カイロプラクティックの主な適応症状には以下のようなものがあります。これらは一般的にカイロプラクティック治療が有効とされる症状や状態です:
1. 腰痛
2. 首の痛み
3. 肩こり
4. 頭痛や偏頭痛
5. 背中の痛み
6. 関節の痛み(膝、肘、手首など)
7. 坐骨神経痛
8. 椎間板ヘルニア
9. 姿勢の歪み
10. スポーツによる怪我
11. 筋肉の緊張や痙攣
12. 繰り返し動作によるストレス
13. 腕や脚の痛みやしびれ
14. 自律神経の乱れによる症状(不眠、疲労感など)
15. 脊柱側弯症
16. 骨盤の歪み
17. 顎関節症(TMJ)
18. 妊娠中の腰痛や骨盤痛
19. 成長期の子供の姿勢問題
20. 四十肩・五十肩
これらの症状に対して、カイロプラクティックは神経の状態、骨格の調整や筋肉のバランスを改善することを目的としています。、個々の患者の状態や症状に応じて治療効果は異なることがあります。
また、当院には柔道整復師や鍼師、灸師、あん摩マッサージ指圧師が常勤しておりますので、必要に応じた施術方法や物理療法の選択を行い、多角的な判断で症状を改善させ、症状が出ない健康な状態を目指します。
当院の物理療法について詳しくはこちら↓
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