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コレステロール、中性脂肪について

Q16. コレステロールの基準値が

変わったのはなぜか?

A16. 基準値はどうやって決めていくか、これは

なかなか難しい問題です。いくらより上だ

とどんな病気が多い、だからここまでを

正常にしようとか、いろんな議論がなされ

ています。ところが、国民の病気の質自体

も時代とともに変わってきています。戦後

、結核や脳出血が多かったときの病気を

防ぐための基準としては、国民のコレステ

ロール値は全般に低すぎたので、コレステ

ロール値は高いほどよかったし、最近の

ように、動脈硬化、心臓病を防ぐというこ

とに重点を置くと低いほどよい、と変わっ

てくるわけです。国民の多くの人がかか

る病気を目当てにして、この辺が一番

いいよ、というのが時代とともに少しず

つ変わっていくということです。食生活

によってコレステロールレベル自体も

変わってきますから、それに伴って出

てくる病気が変わってきます。それぞれ

の病気ごとに病気にならない適切な値

があるわけで、それを国民全体として

どの辺まで持っていくと、いろいろな病

気が一番少なくなるだろうかというこ

とで考えられています。このため、

時代とともに、いろいろな研究成果

が出るたびに、少しずつ修正されていきます。

Q17. 高脂血症と心筋梗塞の関連性について
A17. これは、明らかにあります。高脂血症が

あるほうが心筋梗塞が発生しやすいです。

血清脂質がどのくらいのレベルで心筋梗塞

の発生率が変化していくかについては、

いくつかのデータがあります。老人保健法

の高脂血症の基準で言えば、異常なしから

要指導、要医療になるに従って、だんだ

ん発生率が上がるというくらいに、きっちり

した階段状の関連があります。

Q18. コレステロール、中性脂肪についてどの

程度の値であれば、問題ないと考えられるか?

A18. コレステロールや中性脂肪について動脈

硬化学会を中心にして動脈硬化予防の

ための判定のガイドラインが決められて

います。総コレステロールで220mg/dl、

中性脂肪で空腹時150mg/dl以上になる

と注意すべきであるとされていますが、

それよりもごく僅か低ければ問題無いか

というとそうではありません。ある点から

急に問題になり、それ以下では全く問題

が無いというものではありませんので、

正常といわれる範囲の中にあっても少

しずつ上がって、上限に近づいている

場合は、問題としてとらえて対策をす

べきだと思います。また、基準値を僅

かに越えているとしても、他の危険因子

が無い場合には、病気になる確率は低

いので、すぐに薬物治療をするということ

ではなく、生活習慣改善により低下できる

かどうかみていくということになります。

従って、決められた数字はあくまで目安

として使って欲しいと思います。

Q19. 総コレステロールが基準値であるが

、HDLコレステロールが低いために

、動脈硬化指数が高値である。総コレ

ステロールが基準値内なので問題は

ないのか。

A19. コレステロール中の成分の比率としては

、LDLコレステロールが多くなっているので

、HDLコレステロールを上げるような生活習

慣を心がけましょう。LDLコレステロール値

が基準値内にあれば、HDLコレステロール

値は、低くても問題はありません。LDLコレ

ステロール値が高ければ、総コレステロー

ル値が基準値内であっても、HDLコレス

テロール値を上げるために、生活習慣の改

善を心掛けるべきです。

Q20. 総コレステロールは下がり生活改善の効果

があるのに、HDLも下がり基準値より低く

なってしまった。大丈夫でしょうか。

A20. コレステロール全体が下がったために、

HDLも下がってしまったのでしょう。余っ

たLDLを処理するためにHDLがあるわ

けですから、LDLの値が下がれば、

HDLも下がって問題はありません。