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コレステロール、中性脂肪について

コレステロール、中性脂肪について

Q1. HDLコレステロールが高いのは問題があるのか
A1. HDLコレステロールというのは、元々組織で余っている

コレステロールを肝臓に運んで処理をするための粒子

がHDL(高比重リポタンパク)ですから、動脈硬化には

予防的に働きます。このため善玉と呼ばれているコレ

ステロールで、多い方が動脈硬化になりにくいという

のが原則的な考え方です。しかし、非常に高い人に

ついては、問題があるのではないかという結果が、

日本の一つの地域で追跡研究の成果として出され

ました。そのために高すぎるのも悪いのではないか

ということが話題になってきています。しかしそれ

以降の日本や諸外国の研究成績では、HDLコレス

テロールが高いことが悪いとする結果は出ていま

せん。HDLコレステロールが高いのが日本で悪い

のかどうかを、共同研究で今、はっきりさせようと

しているところです。

Q2. HDLコレステロールを上げるにはどうすればいいのか
A2. HDLコレステロールがどういった人に低いか、そして

どうすれば上がるのかということについては、いくつ

かの研究結果が出ています。一番大きく影響があ

ると考えられているのは、喫煙です。喫煙をするこ

とでHDLコレステロールが低くなることが判ってい

ます。従って、喫煙をしている人は、喫煙をやめる

ことがHDLコレステロールを上げるために最も効果

的なものということになります。では、タバコを吸わ

ない人はどうかということについて考えていくと、

HDLコレステロールに影響があるもので、他に判

っている事実は、肥満していると低くなる、運動が

少ないと低くなるということ、それから肥満を解消

すれば上がる、運動量を増やすと上がるというこ

とです。タバコは吸わないけれども、HDLコレステ

ロールがまだ低いという方については、肥満を解

消する、運動量を増やすということが効果がある

と考えられています。なお、アルコール(飲酒)の

影響については、少量の飲酒でHDLコレステロー

ルが上がることがわかっています。肝臓の障害や

肥満につながらない少量であれば、タバコと違っ

て禁酒しない方がいいということになります。ただ

、お酒を飲めない人が無理に飲むことはやめて

ください。

Q3. 善玉コレステロールと悪玉について
A3. コレステロールには、もともと善玉、悪玉があるわけ

ではありません。コレステロールは、食べたものの脂

から肝臓で作られますが、作るのは体に必要だから

で、いろいろなホルモンの原料として作られます。も

ともと善悪があるわけではありません。それを血管を

通して全身の組織に運んでいくわけですけれども、そ

のための乗り物が必要です。コレステロールは脂で

すから、血液(水)の中を運んで行くためには、水と

脂は溶け合いませんので、石鹸膜のようなものに包

んで運んでいくわけです。その乗り物をリポタンパク

といいます。肝臓で作ったコレステロールを血管壁な

どいろんな組織に運ぶ乗り物がLDL(低比重リポタ

ンパク)です。逆に組織で余ってくるコレステロール

は、捨てにいかなければいけません。処理していく

ための乗り物、それがHDL(高比重リポタンパク)と

いう粒子です。食事性の脂が多くて、作られるコレス

テロールが多い人にとっては、それを血管壁などの

組織に運ぶLDLというのは、動脈硬化を進める方向

になりますので、悪玉という言い方をされます。逆に

、組織で余った脂を捨てにいくためのHDLは、善玉と

いう言い方になっています。それは、基本的な善悪

というよりも乗り物の違い、運ぶ方向の違いです。戦

後の日本のように摂取する脂が少なかったときには

、肝臓からどんどん運んでくれるLDLこそ善玉であり

、せっかく作ったものを捨てにいってしまうHDLは、む

しろ悪玉だったはずです。そういう意味で、善玉、悪

玉という言い方は、動脈硬化の立場からの見方で、

コレステロール全体の働きからみると、必ずしもそ

ぐわないと思います。